ここちよい季節も、夏の日も冬の日にも、お気に入りの庭で過ごしたい。そこにあるフレッシュハーブでお茶を飲んだり、ちょっと手間をかけてコーヒーを淹れてみたり。本を読んだり音楽を聴いたり。男の隠れ家のようなそんな暮らしにあこがれて、庭の中に小屋を建てることにしました。
まさに茶室のようなものなので「洋風茶室」と名づけましたが、調べてみると渋沢栄一氏の関係で大正時代に庭園内に建てられた「晩香蘆」という洋風茶室が存在していることを知りました。
建築確認のいらないこのようなサイズの小屋は、ログハウス風に組み立てることができるキットがメーカーから何種も販売されています。
決してそういうものじゃなく完全なセルフビルドにこだわって、小さいながらも本格的な建物を建てたいと思います。
近くの鉄道工事会社から、河川の鉄橋に使われていた枕木を入手しました。断面20×20p、長さが2.7mのものと2.1mのものの二種がありますが、これを積み上げ、その上にツーバイフォー工法で建てます。
基礎工事
ビニールパイプを使って水平を出し、遣り方で糸を張り、基礎の位置と高さを確定しました。橋梁枕木がつながる部分に基礎があるように穴を掘り砕石を突き固めてコンクリートを打ち、コンクリートブロックを使った基礎をつくりました。
一段目の枕木を並べました。
水道も塩ビパイプで引き込んでいます。
四段目まで積みました。枕木と枕木はカスガイでとめて、一段積んではドリルで上から垂直に穴をあけ、鉄筋を打ち込んで固定しました。画像の枕木開口部にはドアを付ける予定です。
ツーバイフォー工法
ウッドデッキの上で組んだ枠組みが六種。それを枕木の上に組み立てていきます。棟は12フィートの2×6材を二枚張り合わせたもの。切らずにそのまま使えます。設計図はないのですが、人が通れる通常のドアの高さ、枕木の長さ、金勾配の傾斜の屋根という条件だけでいくつもの寸法が確定します。図書館のツーバイ工法の本を頼りに、材料を無駄にしないよう、失敗しないよう事前に慎重に考えながら作業を進めながらではありますが、ここまではあっという間に作業が進みます。
入り口上の屋根の作業です。勾配のある面にまた勾配をつける作業だから、複雑怪奇です。後に内装作業で天井を張る事を想定しながら難しい作業になりました。この部分に丸半日費やしてしまいました。でもなんとか形になりそうです。
ツーバイ工法の本を頼りにケラバの細かい作業もなんとかこなしてほぼ全体の形が見えてきました。土日の自由になる時間のほとんどを小屋の建築に費やしています。形が見えてくるのはうれしいもの。梅雨に入り早く屋根まで仕上げなければ木が濡れてしまいます。
屋根工事
屋根の構造用合板をはりました。屋根は勾配が45度。屋根の頂上で高さ約4m。非常に危なくて神経を使います。高所恐怖症の私は初め脚立の上に乗るだけで足がすくみましたが、慣れるに従って恐怖心は薄らいでいきます。この慣れが本当は一番危ないのですが、十分な足場も無いまま何とか無傷で屋根の構造用合板をはりました。入り口の上の屋根を複雑にしたことから、これの作業にはくの時間を費やしました。この作業中何度も何度も雨が降り、屋根の構造用合板は水浸し。早く屋根材まで張ってしまわなければなりません。
屋根材を貼ります。構造用合板の上に防水紙を貼り、その上にアスファルトシングルを貼りました。柔らかくてハサミでカットでき、釘でとめていくだけなので私のような素人にはもってこいの素材です。
下から貼っていくのですが勾配がきついので上に立つことができず、画像のように地面から梯子をかけて移動しながら慎重に貼っていきました。
炎天下のアスファルトシングル張りです。火傷防止のため軍手をはめています。
屋根の谷部分は水切りを自作しました。お気づきの方もおられましょうが、左右のアスファルトシングルのパターンがちがいます。上の画像の分は友人のログハウスで余ったものをいただきました。全面を貼るには少し不足したため、この面の分は購入しました。左右の屋根を一度に見ることはないし、実際これに気がついた人はまだいませんし、
端の部分はあとからはさみでカットします。
床工事
床工事の前に水道と排水のパイプを設置しました。橋梁枕木の内側には防水シートをはりました。
ピンコロを使って基礎を9個設置しました。その上に湿気を遮断するためビニールシートを敷きつめます。この段階で使用する2×4材と柄には防腐剤をしっかり塗りました。
ピンコロの基礎の上、ビニールシートの上に柄を立て2×4材で挟み込みます(防腐剤を塗り茶色に見える部分)。ウッドデッキと同じ要領です。これの上に交差させ、45.5pの間隔で2×4材を乗せ、コーススレッドの斜め打ちで固定します。橋梁枕木にもこれを受ける高さに2×4材を打ち付けています。
画像にはありませんがこのあと合板受けを付け、構造用合板の四辺にすべて2×4材が当たるよう工夫しました。
床下に断熱材を入れませんでしたが、床の厚さは構造用合板が2枚で24o。その上に床材を貼るので合計32oあります。断熱効果はかなりあるのではないかと思っています。
外壁
外壁に構造用合板を貼り防水シートを張りました。
建材のアウトレットで事前に樹脂製のペアガラスの窓枠を大小二つ購入しました。これのサイズに合わせて枠をつくってあったのでピッタリと収まりました。
ドアもこの建材のアウトレットで購入しました。ドアの個所もその幅に合わせて開口部を調整しました。
ドアも自作しようと考えていましたが、強度をもたせることとガラスをはめ込むのが難しいしどうしたものかと悩んでいましたが、偶然このドアを発見し重厚なものでかなり値引き(それでも私には財政的にかなり痛かったのですが。)されており、この小屋のために製造されたようなドアを大事に大事に我が家に迎え入れました。
ドアの寸法に合わせて入り口の枠をつくり、少々高さがありすぎたためドアの下部をカットしました。
ドアノブを別に購入したので、ドアに穴をあけ取り付ける必要があるのですが、専門的知識も道具もありません。せっかくのドアを台無しにするのが怖かったので知り合いの建具屋さんに相談しました。親切にドアを見に来てくださって、取り付けてあげようという暖かいお言葉をいただきました。話を聞いていると素人にはなかなか難しいようです。