「YOUは何しに日本へ」というTV番組で、オランダ人夫婦が年代物のメルセデスベンツ 508Dを自ら改造してつくったキャンピングカーを日本に持ち込み、人々と交流しながらの旅する様子が放映されました。

それまでも時折見かけるキャンピングカーを漠然とした憧れは抱いていたのですが、この番組を観てから、洋風茶室以降大物の製作から遠ざかっていた私の創作意欲が突如湧き上がってきました。もうすぐ仕事から離れて時間に余裕ができるし、キャンピングカーで自由気ままな旅ができたら。そんな思いが大きくなってきて、製作と構造変更登録まで挑戦してみようと思います。

お金を出せば専門のビルダーが作った便利で快適なものが手に入るのですが、それでは楽しみの半分がなくなってしてしまう。・・・その前に資金が不足という大きな問題があるのですが・・・・・

 車は普段乗りができて、外見はキャンピングカーに見えない。そういうものがいいなということと、最終的にはやはりキャンピングカーとしての8ナンバー登録がしたいということで、荷室の高さ160㎝以上という要件を満たすことができる日本のキャブは、特殊なものを除き、ハイエースかキャラバンのハイルーフの二者択一。以前から惚れていたハイエースとすることにし、スーパーロングを購入して取り掛かることになりました。

納　車

契約して待つこと数か月、いよいよ我が家にハイエースがやってきました。当然スーパーロングの寸法は検討したうえでの購入だったのですが、我が家にやってきた「この子」はやっぱりでかい。

ガレージにする倉庫のシャッターの高さも幅も、スペースの奥行きもギリギリ。もう少しデカければここに入れるのはあきらめないといけないところでした。ガレージ兼作業工房の倉庫でこれから作業を始めます。

新車を改造するのって勇気がいります。改造はできるだけ車体に傷をつけず、必要になれば元に戻せる「リバーシブル」を基本にしてキャンピングカーへ改造していこうと思います。

スーパーロングの運転

これまで25年間ランドクルーザー７０のZXに乗ってきました。1ナンバーの中型貨物車なので、それなりに大きな車だったけど、それよりも全長が57㎝ほど長い。幅は10㎝ほど広い。高さは35㎝ほど高い。
この差はかなりのもの。特に左折する時の内輪差は意識しないと後輪が縁石に乗り上げてしまいそう。それと、狭い道路で対向車とすれ違う時の緊張感。ボンネットのあるランクルは、前方を見ながら視界の中にあるボンネットの左前角を目印に道路の左へ寄せていたのですが、ハイエースの場合、走行しながら助手席側左隅ばかり見ていられないため左側へ寄せる感覚の難しさがあります。また、コンビニの駐車場などへの駐車は、車長が駐車スペースに収まりきらないので邪魔にならないよう気をつかいます。
最初はこれにかなり気を使ったけど、ある程度乗っていれば慣れてくるので、ひと月ほどで日常の足として使うにも困難なことはなくなりました。。

断熱・遮音

ネットで作業先駆者の方々の情報を集めて、断熱と遮音の対策です。
まずは内張りをはがす必要があります。私の場合、荷室部分の天井と側面のみ制振材、断熱材の処理をしています。運転席の天井とドアはちょっと面倒そうなことと、必要ならば後からでもできるかという思いです。作業が終わって落ち着き、やはり必要と感じたらやってみようと思っています。
制振材と断熱材は高価なものから安価なものまでさまざまなものがネットで購入できますが、検討の結果コストパフォーマンスの高いと思われるものを選択しました。
制振材は日東電工レジェンドレックスD-300N。メーカーの情報によると面積の30％から50％が目安とあるので、隙間なく貼り詰めるものではないようなので無駄に購入する必要はないようです。私の場合1000mm×500㎜を4枚購入しました。前述のとおり運転席の天井などは貼っていませんが、荷室の天井と側面、タイヤハウスの上などに貼ってちょうど使い切りました。画像を見ると30％ならもう少し小さくカットしても大丈夫のようですね。
大きなシートなので、カッターでカットして使います。私は画像のような貼り方でローラーを使って密着させました。
車を買った直後に施工したので、雨音の減音効果がどれほどかわからないのですが、外からコンコンと叩いてみた音にはかなりの変化がありました。

断熱材はエンデバーハウス パーフェクトバリア 床用ボードタイプ455mm幅用 30mm×415mm×910mm を使いました。 この製品は厚みが12㎜や50㎜など多くの種類があるのですが、30㎜の厚みが施工する空間の厚み（特に天井部分）にちょうどいいと感じました。これ以上厚いと天井の内張を戻すとき少しきついかなと感じます。サイド部分にはもう少し分厚い50㎜ぐらいでも余裕はあるのですが。そう何種類も買うと無駄が多く生じます。私は天井もサイド部分もすべて30㎜。

固定は両面テープ、コニシ ボンドSSテープ WF101R 25mm×30mを使って貼り付けました。
長い辺に平行に二列テープを貼って工レジェンドレックスの上に貼り付けました。十分くっつきます。この使い方ならひと巻き（30m）で十分。側面もはさみで切ってなるべく隙間がないように貼り付けました。
地味な作業ですが何をとっても初めてのこと。ひとりで不安に駆られながら、無駄のないように。効果が高いように。上を見上げて首が痛くなって、暑い時期なので汗を流しながらの作業でした。

床貼り

スーパーロングＤＸの床はお粗末そのもの。本来荷物を積む場所なので仕方がないのですが、デコボコの鉄板の上に黒いシートが敷いているだけで、裸足で歩くとそのでこぼこが足の裏に痛く感じます。
ハイルーフの荷室高は1,635mm。８ナンバー登録には高さが1,600㎜以上確保する必要があるので、床に使える厚みは35㎜以下に抑えなければなりません。私は厚さ12㎜の構造用合板を使い、これの上にフロアカーペットを貼ることにしました。多くみて15㎜。あと20㎜の余裕があることになります。
よく他の方がデコボコの低いところにスペーサーとして角材を入れ、その上に構造用合板を貼られているのをよく見かけますが、私の場合は鉄板の床に直接構造用合板を敷きました。それから、その板にインパクトドライバーでネジくぎを打って固定されているのをよく見かけます。あれって鉄板を通り抜けているのでしょうか。車体を傷つけたくない。いつでも必要ならば元に戻せる「リバーシブル」を基本として改造していきたいと思っています。ということで、私は並べて敷いただけ。今のところ何の支障もありません。その上にフロアカーペットを貼り、その上にベッドや流しなどを固定するのですから、ビクともしません。
荷室は幅1,730mm長さは3,540㎜なので、構造用合板のサイズ1,800ｍｍ×900ｍｍの四枚分でちょうど敷き詰められます。私は横長に使って四枚を並べていきました。購入時に敷かれていた黒いシートを構造用合板を四枚並べた上に広げて型をとりジグソーでカット。あとは荷室に敷いてみて不都合な部分を車から下してカット。また敷いてみて不都合な部分をカットの繰り返しで案外重くて持ちづらい合板を乗せたりおろしたり。正確に隙間のないようにと頑張っていましたが、今から思うと少し隙間があったほうがいいのかも。少しの隙間があっても何の支障もありません。余裕をもってカットしていたら半分ぐらいの労力でできていた気がします。
そして、スペアタイヤの脱着に必要なレンチを入れる穴、後部座席シートを取り付ける穴をあける必要があります。

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